【タイトル】

友達は百人できなくても

【本文】

 私は友達が少ない。年賀状も百人以内と決めている。だから「友達百人できるかな。」と言われても、「絶対に無理!」と思う。学級担任をしているときも、「クラスのみんなと友達にならなくてもいいよ。」という考えだった。人の悩みの多くは人間関係の悩みである。他人だけでなく、家族でさえ悩みになり、それは一生続く。しかし、私たちは人と関わらずに、無人島やポツンと一軒家という生活をすることはできない。それでは、どうしたらよいだろうか。  若いときは、他の人がすることを意識して、批判的な見方をすることが多かった。しかし、あるときから「人は人、自分は自分。」と考えるようにして、近付き過ぎていた他人との距離を少し広げるようにした。そうしたら、他の人のことがあまり気にならなくなった。   子供たちには、友達と仲良くしてほしいし、友達はいないよりもいた方がよいと思う。しかし、その友達関係に疲れるぐらいなら、「無理して付き合わなくてもいいよ。」と言いたい。そういう考えで今まで過ごしてきたが、それほど困っていない。そして、幸いなことに今までの教員生活で出会ってきた信頼のできる人が、江東区の校長先生方の中に何人もいる。無理をしなくても、自分にとって居心地のよい人間関係を作ることができる。それでもなお、友達を百人作りたいのならば、一生をかけて百人の友達を作ればよい。人生百年の時代なのだから。         第六砂町小学校長 景山賢治


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