【タイトル】

避難訓練 3.11を忘れずに語り継ぐ

【本文】

 東日本大震災があったとき、私は6年生の担任で、6時間目の授業中でした。机の下に避難しても、机ごと転がりそうになるほど東京も揺れが大きかったのですが、東北地方ではさらに大きな揺れがあり、海の近くでは津波が起こりました。多くの人が亡くなるとともに、家を失った人もたくさんいました。1年2組の川尻先生は、地震があったときに福島県にいて、震災を体験しています。これから川尻先生から、震災のお話をしていただきます。(校長 景山賢治) (1年2組担任 川尻浩意先生のお話)  私が実際に東日本大震災を経験したこと。その経験から考えたことをお話しします。  私の家は、海から歩いて1分。学校は、海の目の前にありました。私が小学生や中学生の時、「津波なんて来るわけないよね」と友達と言い合いながら、学校の近くの高い山に避難したことを今でもはっきりと覚えています。でも、津波は本当に来たのです。  2011年3月11日。東日本大震災が発生した日は、福島県の実家にいました。こたつに入って、お母さんと妹とテレビ番組を見ながら、その日の夕飯は漁師のお父さんが捕った鯛にしようかという話をしていたときに、地震が発生したのです。すぐにこたつの下に潜って揺れが収まるのを待ちました。揺れが収まった後に庭に出ると、近所のおじさんの「津波が来るかもよ」という声が聞こえたのです。考える間もなく「高いところに行かなくちゃ」と大声で叫んで、近所の人たちと一緒に必死で走って、家から少し離れた山にあるお寺に逃げました。すぐに逃げたので、私と家族は助かりました。  テレビ番組では、「東日本大震災のことを忘れない」とよく言います。東日本大震災で、多くの被害が出たこと。悲しんだり苦しんだりした人がたくさんいたこと。忘れてはいけないことや伝えていくことの大切さはよくわかります。でも、東日本大震災から12年たちましたが、私は一度も震災に関する番組を見たことがありません。津波の映像を見ると心が辛くなるのです。私は大人ですが、12年たった今でも怖いのです。  みんなには、「震災のことを忘れない」だけじゃなくて、自分を守った経験を大切にしてほしいです。例えば家や学校で地震が起きて机の下に避難した後、家族や友達と「びっくりしたね」とか「今の地震の大きさはどれぐらいかな」などの話をしてほしいのです。そういうことを何度も繰り返す中で、みんなの心と頭の中に残ったことが次に大きな災害が起こったときに、みんなの命を守ってくれると思います。  いつ起こるかわからない災害に備えて、毎月の避難訓練に真剣に取り組み、自分の命を守る方法を増やしてください。


【添付ファイル】

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