【タイトル】

全校昼会の話1.14 「成人の日に」ー子どもは小さなおとな

【本文】

 昨日1月13日は「成人の日」でしたが、江東区でも昨日、ティアラこうとうで「二十歳の集い」が行われました。そこで今日は、昨年11月13日に亡くなった、詩人の谷川俊太郎さんが書いた「成人の日に」という詩を朗読します。  「成人の日に」  谷川俊太郎  人間とは常に人間になりつつある存在だ  かつて教えられたその言葉が   しこりのように胸の奥に残っている  成人とは人になること もしそうなら  私たちはみな日々成人の日を生きている  完全な人間はどこにもいない  人間とは何かを知りつくしている者もいない  だからみな問いかけるのだ   人間とはいったい何かを  そしてみな答えているのだ その問いに  毎日のささやかな行動で  人は人を傷つける   人は人をなぐさめる  人は人をおそれ   人は人を求める  子どもとおとなの区別がどこにあるのか  子どもは生まれ出たそのときから小さなおとな  おとなは一生大きな子ども  どんな美しい記念の晴着も   どんな華やかなお祝いの花束も  それだけではきみをおとなにはしてくれない  他人のうちに自分と同じ美しさをみとめ  自分のうちに他人と同じ醜さをみとめ  でき上がったどんな権威にもしばられず  流れ動く多数の意見にまどわされず  とらわれぬ子どもの魂で  いまあるものを組み直しつくりかえる  それこそがおとなのはじまり  永遠に終わらないおとなへの出発点  人間が人間になりつづけるための  苦しみと喜びの方法論だ  私は、この詩の中で「子どもは生まれ出たそのときから小さなおとな」という所が好きです。みなさんは今、小学生ですが、おとなの仲間でもあるのです。  今年は六砂小の開校70周年の年です。皆さんの持つ、子どもの目と心で、今の六砂小をどんどん作りかえてほしいし、小さなおとなである皆さんの大事な役目であると私は思います。             校長 景山賢治


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